211025

 昨晩は懐かしいやり方で空き缶のような心を押し潰していた。午後9時に閉園する繁華街の公園で大胆にも私は体を折りたたむ。眼鏡まで折れそうになったから、顔を上げて近くのトイレに向かう。鏡を見る。いつもより可愛くない。駅に戻る。またトイレに入って休む。真っすぐ帰ることができない。個室の荷物掛けに鞄をかけ、伸びた肩紐に首をつっこむ。膝を曲げると嗚咽が漏れる。隣の個室からは古い洋楽が流れ始めた。お邪魔だったかしら。ふいにつまらなくなり個室を出るが、その場にはまだ洋楽の短いフレーズが響いている。わかる、わかるよ。自殺未遂用のプレイリストがある。

 家に帰ってからはお酒をたくさん飲んだ。睡眠薬も飲んだ。愚痴が口からとめどなく出てきて陽気になった。次の日に目が覚めると、心拍数が普段より高くて、頭は取り換えたように軽く、午前5時だった。まだ眠ろうと思って目を瞑っていたが、難しかったから好きな人のことを考えた。自作の白昼夢の出来はよく、8時50分にzoomにログインするまで、眠気と甘さを楽しんだ。それからも頭は軽いままだ。事態は何一つ前に進んではいないけれど頭は軽いし、体だってそうだろう。