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大きな失敗をしたわけではないのに、取り返しのつかないことをしていると毎日感じる。日常という濁流に飲み込まれていくばかりの自分を他人に正当化しなければならない。どこに行って何をすれば私は間違っていないと証明することができるのか?間違っていたところで今からやり直せるんだろうか。もし間違っていないとしたら?そうしたら、私は何をすればいいのだろうか。見当もつかなかった。

この町の暗渠には悪魔が住んでいて、契約を結ぶとその先の人生は時間のかたまりになるそうだ。

久々に大学に行く。ほとんど人がいない。数人の顔見知りを見つける。私たちはゆっくりと集まる。熱に浮かされたように話をする。笑いが起きる。疫禍の影が冷たく張り付いたまま、笑いは起こる。

外は曇りで、ときどき雨が降る。

教室の窓はたったの10cmしか開かないように設計されている。10cmしか開かない窓に戸惑うことは私たちの中で恒例になっていて、理由に頭を巡らせるもたいてい一つしか思い浮かばず、また別の笑いを浮かべ、目を合わせる。すると、窓の外が監獄から覗く景色に変わり、雨音はいっそう強く響き始めた。