深夜に目が覚めた。

朝近所で散髪をした以外は、一日中家にいた。午前から夕方にかけてZOOM授業に出た。作図課題の講評と英語。普段は優秀作品ばかりが全体で取り上げられているのが、今回学科の全員のものが紹介されていて普段より面白かった。

秋学期の授業では顔を見ていなかった教授がゲストとして講評会に出ていた。この方は何者なのだろう。毎回聞いていて戸惑うほどきめ細やかな気遣いを学生に差し出してくる。それでいて神経質な印象もなく、不気味だ。基本的な思考力が高くて、私たちなんかとは比べ物にならないほど優秀なのだろうとは思うが、壁と卵で言うところの、壁が皮膚をまとって歩いているみたいなのだ。この人間について考えようとすると恐怖で胸が詰まる。もう私はこれ以上個人について考えるなよ。

授業がすべて終わったあと、一週間の休講を迎えた実感から浮ついた気分になり、遊ぶ計画について考え始めた。映画を見に行こうか?岩盤浴に行こうか?旅行をすべきか?どの展示を見るべきか?誰を誘おうか?答えは出なかった。誰かにLINEを送るということもなかった。母親に話しかけたらどうしてあなたはそんなに喋るのかと叱られた。もう二度と誰とも喋りたくないと思った。

授業がなくても遊ぶ時間があるわけじゃないんだよな...と我に返り、以前から気になっていた、しいたけ占いを音読した。夕飯を食べながらプラダを着た悪魔を見た。