A先生へ

 前回は診察に間に合わず申し訳ありませんでした。今日伺うつもりだったのが、間違えて人と会う予定を入れてしまいそちらを優先しました。気が晴れるかと思って人と会う予定を立てたはずが、余計に落ち込んでしまった。会話を続けるのが難しく感じました。この人とは、もし無人島に二人で流されたとしても友達にならないだろうと思います。解散してからというものの、だんだんと私は会話をしたことがないのかもしれない、友達が一人もいない、という気分になり、それから抑うつ状態です。実際には少なからず友達がいるのですが、今その一人が目の前に現れてくれたとしても、上手く話したり笑ったりできないはずです。この精神状態には見覚えがあります。人がこうなってしまうと、緩やかなつながりによって救えるものも救えなくなります。

 誰かと話がしたいという欲求にずっと苛まれてきました。話したことがないのにです。これは自身に降りかかる様々な困難の根源的な問題だと考えています。おしゃぶりのようなものを切に求めています。このうるさい穴に蓋をしたい。

 短い間に起きたことばかり考えても仕方ありません。最後に先生と話したのは11月らしいですが、あのとき何を話したかよく覚えていないです。冬休みに入るまでは普段通り課題を直前に提出してなんとか過ごしていたと思います。同級生とクリスマス会をしました。私は会場選びをしたのですが、とてもよい会場を選ぶことができました。他の人の評判も良かった。場所を貸してくださった店主との交流もスムーズでした。私には会場を選ぶこと、いや、人と会う場を選ぶことが少し向いている気がします。例えば、デートコースみたいなものを決める作業は楽しい。反面、人に選んでもらった場が気に入らないことも多々あり、得意というのは思い上がりで、こだわりが強いために自分で自分の目に入るものを選びたいだけの自己満足なのかもしれません。

 冬休みに入ると緊急事態宣言が出ましたが、課題が忙しかったのでこの頃はそれほど苦痛ではなかったです。二週間ほど授業や期末試験が続いたあと、春休みに入りました。つい最近母が以前働いていた会社の短期アルバイトに応募して、採用されました。来月からたくさん働く予定です。

 最後に。申し訳ないのですが、来年度からもスケジュールの都合上、この病院に通うことが難しくなっています。先生が平日勤務されている他院を紹介していただくか、自宅近くの病院に紹介状等をお書き頂ければと思います。