211110

駅から大学までの道に変電盤があり、右上に「開発。」と記されている。通るたびにこの句点と目が合う。

今日は良く晴れていた。

試験期間だから大学に人が溢れていて賑やかだった。

最近は不思議と他人と体が触れ合うことに抵抗を感じなくなってきており、さらに不思議なことに対人不安を紛らわす優れた手段なのではないかとさえ思い始めている。もしかしてずっと前からみなはこのことに気づいていたのか?中学時代、手を繋ぎ抱き合う同級生を白けた目で見ていた。彼女たちが交わしていた体温の意味を10年越しに理解するなんて。もう私は踊り場で暇を潰すこともない。保健室で眠ることもない。退屈を教師にぶつけることもない。代わりに、歳の近い同性と抱き合うことができる。久々に人間と抱き合って、本当に温かった。柔らかい体つきにずっと包まっていたいと思えた。

人生がうまくいっていないと家に帰るのが下手になる。帰ったら思い出してしまうから。現実を。過去を。そしてまた先送りにしてしまうから。悲しみが簡単に想像できるから。これからコンタクトを消毒する。この上ない生の祝福の儀式ではある。